決定版 英語シャドーイング 入門編 玉井健 [ホールド]
本書はシャドーイングとそれに関連する項目を上手く取り入れた良書だ。
但し、例文として使用しているものはもっと口語、会話文の方がよかっただろうしそれに類するものだけで十分であれもこれも入れる必要は無い。
シャドーイングは口パクのようなものであり、独り言のようなものでもある。
大人が読むものとしてはやはり多少知的なものの方が良く思われるのは昔からだが、シャドーイングと言っているのであればそこは多少抑えたほうが良かったかもしれない。
それから、これを一冊、本なので簡単に読めるわけなのだが、だからと言って直ぐに上達するわけでは無い。
本というと読めば終わりなのだが、語学はスポーツのような面もあり、身につけなければならない。
この身に付けるを「真面目に」考える指向のある部類としては、赤ちゃんが言語を習得するように聞き流すことからというのが昔から行われて来た。
また、「周波数」というのもその類いに位置づけられる。
言語習得に関して身体と向き合うとそうなるのだろうが、これが厄介なため取り敢えず英語シャワーとかダイレクトメソッドとかになり拒否反応を起こす人も出る。
発音やそれを決定する口の動きはそれらの一部ではある。
もう少し段階を示せば楽になるのにと思っていたのだが、本書はシャドーイングに関してもう少し細分化して説明していて理論書では無いが、教える側からすれば参考になる本であろう。
リスニング、マンブリング、シンクロ・リーディング、プロソディ・シャドーイング、コンテンツ・シャドーイングと細分化している。
先生の後に付いて発音するというのは疑問であったが、その考えは本書を読むとはやりと思う。
耳コピで弾けるということは、元々そのレベルに達しているからであり、聞いただけでは無理だ。
当然、上記のように丁寧に細分化されたものであっても短時間では体が付いてこない。
「英語は〜だ」というタイトルは色々出ているが、クラシック音楽を習うのに味噌汁とタクアンはどうなのかという話があるが、それならばひょっとしたら究極はジャンクフードを食べないと英語は分からないということになってしまう。
英語を喋っているときの自分を観察すると分かるが日本語の時の自分とは違いそれに気づくと多少嫌な気分になるが、それくらい体を観察するのは大切だ。
では、身振り手振りから入るのかと言われれば何とも言えないし、逆に日本語を喋るときは意識して英語っぽさを無くしているし意識高い系と同じにされたくないので間違ってもCを「スィー」などと言わない。
ただもう一つ理由があって、同じ調子で話さないということだ。
周波数がという話があるが、もう少し大きく身体の話になる。
個人差は当然あるが言語で大分身体イメージが違うという感じとも言える。
英語の発音の本として、『ボトムアップ式 映画英語のリスニング 音変化』を紹介しているが、音は空気を送って出すもので、最終的には口や喉は緩めるべき、というかそれが意識されないくらいにならないときれいな音は出せないだろう。
つまり、西村氏の言うように腹から音を出せということだ。
では意識してたかというと実は気づいたらそうなっていたというのが事実で、当時はシャドーイングだのマンブリングだのは知らず、合わせようとしていたという表現が近い。
音は奥からではあり体のうねりというか共振、共鳴のような感じもあるが、では本書は価値が無いかというとそうではない。
実際何からやってもよくそれは本人次第であり、本書は仕事と同じでステップを細分化して行くと分かりやすくなるという例であり、参考になる本である。
決定版 英語シャドーイング 入門編
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『私の外国語』 梅棹忠夫 どこの旗の出身か
ボトムアップ式 映画英語のリスニング 音変化
英語喉 50のメソッド(CD付) [ホールド]
英語が5教科7科目に入っているのがもしかしたら間違いではと思う時がある。
それは発音の問題があるからだ。
英語はその場合実技科目に分類されてもいいかもしれない。
先にこの本の著者に関して、良い着眼点ではあるが実技がもう少しという批判がある。
ただ、聴いてみた感想としては、言いたいことは分かるが実はもっとひどい人も知っているのでそこまでは厳しいかも知れない。
ドクター何とかというネットで売り出していたメソッド/教材があった。
彼自身の宣伝ではネイティブも何たらというもので、是非聞きたいと思い探し当て聴いてみたらまぁひどいものだった。
では、何故かと考えるに、口で喋っているからだ。
一生懸命口を動かしているのだろう。
音がキンキンするのだ。
ネイティブだってお世辞は言うし、建前もあれば、嘘も言う。
そんなものを真に受けて自分の教材の宣伝に使ってしまう人もいる。
何時でもどこでも、何でもかんでもストレートにモノを言うなんてことは無い。
語学以前にそういうことが理解できていないのか、自分自身の発音を確認しなかったのかは不明だがそういった教材があった。
更に、英語ネイティブ信仰が高まると発音に近づけようと、例えばメインテナンスと書いてみたり、いやいやメィンテナンスかもと迷ったりする。
それで日本人は〜と外部から或は高所から観察している気分になる。
が、外国人に対してだからストレートにモノを言えるのであって国内で発言する場合は言葉を選ぶというのをまだ知らないだけだ。
結局、日本語で書く場合はメインテナンスでなく、メンテナンスでもよいし、メンテで十分だろう。
このブログもメンテしなければと思い今回書いているというのもある。。。
欧米崇拝は無くても、ただ、喋る時はどの外国語であれネイティブ並みにというのは語学マニアの性なのだろう。
気づかれなかった時の喜び。。。
さて、それに比べれば、この『英語喉 50のメソッド』は着眼点としてはまだ良いと思う。
英語喉というのは、英語脳と同じく宣伝のための造語ではある。
イギリス英語ではとか、シンガポール英語などを持ち出すと切りがないのでよく聞く米語に限るが、観察して見るとお腹が日本語を喋っている時より動く。
英語が滑らかな役者さんの表情を見るとリラックスしている。
ガチガチ口を動かしている様子は無い。
つまり、口の形は最終的な調整点となっているのであって、そこばかりに注目しても仕方が無いのだ。
化粧の乗りがいい悪いのと近いかも。
すると、発声に関しては西村喜久氏の考え方がより深いし、梅棹忠夫氏のように語学という枠を超えて体ごとどっぷりと浸かるのが正しいのだろう。
梅棹式に近い意図しない実践者は「すしざんまい」の木村清社長だろう。
航空自衛隊で鍛え上げた能力は語学でも発揮される。
自衛隊時代は、歌を一回聞いただけで覚えさせられたという。
電話帳、住所録、スケジュール帳は不要だ。
議員になれそうな感じもするが。。。
本人は全く知らない言語でも現地に3日もいれば喋れるようになると言う。
追い込まれた状況になれば、必死に頭が働くようだ。
ただ、本人は語学ができたからといって何とも思わないだろうし、その場から離れたら多分忘れそれでよしとすると思われる。
彼は天才なのだろうが、この当たりが語学マニアと違うのだろう。
語学に取り憑かれるといつでもたちどころに出てこないとダメだと思ってしまう悲しい人種だ。
ということで、口の形や舌の位置を気にする練習をしてみるのもいいし、その少し奥を気にするのもいいし、語学を体育と捉えてもいいだろう。
木村社長のようにそこで用が足りていれば十分という人は多分このブログを読んでいないだろうが、究極と言えば究極なのかもしれないが、記述はできないので元読売巨人軍監督の長嶋茂雄氏のように「ビューンと来たらバーンと打つ」といった分かる人には分かるという説明になってしまうのだろう。
ここが身体動作を言語化する難しいところだ。
語学は自分の体という楽器を使った実技科目の側面がある。
しかもピアノの音色もバイオリンの調べも同じ楽器で表現しなければならないという困難がある。
否、チェロとバイオリンの違いかも知れない。
それでも無理ゲーなのかも。。。
そうは言っても、やはり口の形や舌の位置を気にするのもいいし、喉に焦点を当てるのも悪くは無い。
何でも根源、究極といったものだけを求めると疲れてしまうし辿り着かないかもしれない。
枝葉といえど十分に参考にはなるものもある。
英語喉 50のメソッド(CD付)
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ボトムアップ式 映画英語のリスニング 音変化
英語リスニング練習帳 アメリカ英語とイギリス英語のリスニング [ホールド]
簡単に言うとタイトル通りのリスニング本である。
ただそれをアメリカ英語とイギリス英語で同じ文を読んでいる。
同じ英文を米語と英語で聞けるという意味では良いがそれ以上ではない。
本書は103のダイアログを通してリスニングの障害を取り除いていく。
それぞれのダイアログは独立したものである。
ダイアログといっても一冊通しての物語形式なら『ボトムアップ式 映画英語のリスニング New York Detective Story』がある。これはタイトルから分かるように米語のみである。
リスニングだけに集中するというのなら米語でのこの本でよいだろう。
英語米語など比較ものに関しては、カリフォルニアで収録された『ナマった英語のリスニング』、米加英豪4ヵ国のアクセントを収録した『あたりまえだけどなかなかできない英語発音のルール』、アメリカ英語方言を集めた『On the Streets of America』がある。
これらと比較するとバラエティといった観点からは弱い。
無論そういった観点から作られていないのだが。
一冊で二種類の英語のリスニングを学べると捉えるか、リスニングはリスニングで言葉の比較は別にとした方がいいと考えるかで見方も多少変わるだろう。
聞くと話すは別という当たり前のことなのだが、聞くのは本書の内容は楽だろう。
但し、話すのは別だ。
つまりそれぞれの言葉で話すというのは。
英語を一つのイメージで構成すると米語かイギリス英語か中間の何かしらなのかとにかく一種類になる。多少味付けはあるだろう。
本書の録音も別々の人間がやっている。一人二役ではない。
イギリス英語とアメリカ英語をスイッチできる人間は一つのイメージでやっているのではない。
⇒ 英語リスニング練習帳
イギリス英語はおもしろい CDブック [ホールド]
本書はCDブックではあるがどちらかというとイギリス英語入門であり読み物といった位置づけの本だ。
著者まえがきによると、1998年3月から1999年4月まで英国エクセター大学に行っている。11年間務めたNHKラジオ「英会話」の講師をやめた後だ。
本書はイギリス経験をもとに書かれているということになっている。1999年4月に終わって、1999年6月付けのまえがきなので出発前から企画があったのだろう。
それまでは世代的にもアメリカ漬けだったということで当たり前のようにアメリカ英語がお手本にされていた。
著者の世代は、英語はNHKラジオであったりFENから吸収し、松本亨がNHKラジオ英語会話の講師の時代だ。
松本亨は戦前に留学し現地の神学校を卒業したが敵性外国人として捕虜収容所へ移されている。後に博士号を取得し帰国してからラジオ英語会話の講師を務めたということだ。
FENは米海外基地の軍属軍人のためのものであり、当時はベトナム戦争がありそこから漏れて来るアメリカを必死に吸収していった。そんな環境なのだろう。
映画や音楽もアメリカからであり筆者の書く通り「アメリカ漬け」のようだ。
因みに、『40ヵ国語習得法』の新名美次が中学生一年のときのラジオ基礎英語は入江定という人だった。中学二年で松本亨のラジオ英語会話を聞いている。大杉正明は1947年生まれで彼は43年生まれなので英語教育としては同世代として育ったと言っても良いだろう。松本亨世代とでもいうべきか。
そんな著者が90年代の終わりに英国に行き別の英語を知ったということだ。まぁ知らなかったわけでは無いが、アメリカ英語で売っていたところに、皆さん世界にはこんな英語もありますよといった感じで紹介している。そんなストーリーを醸し出している。
イギリス英語をじっくり学びたい人向けではなく、とっかかりであったり入門書のようなものだ。そんなことを分かっていながら買ってしまった一冊である。。。
この本は単語や熟語にフォーカスしており、町で拾った英会話といった、『LIVE from LONDON』ものとは別だ。イギリス現地で出くわす英語を中心に構成されており、比較ものである『あたりまえだけどなかなかできない英語発音のルール』や米カリフォルニアで収録された『ナマった英語のリスニング』とも少し違う。
リンク先の目次には書かれていないが、日米英対象リストというイギリス英語を元にした言葉のリストものがある。更に英語索引、日本語索引もついているのでちょっと感心した。
イギリス英語はおもしろいし、本書や著者の時代背景も調べていくとおもしろい。
⇒ イギリス英語はおもしろい
華麗なるインド系文字 [ホールド]
書体字典のようなものとしてノリで買ってしまったが殆ど使っていない。
眺めるだけである。
「インド系文字について」の章のサブタイトルが「この本の楽しみ方」となっているのでそれでいいのだろう。
アジアの17種類の文字を集めたものだ。
主に南アジア、東南アジアで使われているほとんどの文字はブラーフミー文字に起源をたどれる同系統の文字ということである。
あとがきの著者の言葉によれば本書は「糊と鋏」でこしらえたものである。
どうでもいいことだが、本書は白水社から出ている。
語学本なので白水社だが一方でフランス本のイメージが強いと変な感じがする。
本は赤に黄色の帯だ。
これがインド系文字の世界なのだろう。
白っぽい本だったら確かに白水社/フランスのイメージだが逆に違和感を感じるかもしれない。
本フェチではないが、こういったのも重要なのだろう。
文字文化圏という言葉を使い、アラビア系文字文化圏、インド系文字文化圏、漢字系文字文化圏と概念図として分けている。その中のインド系文字文化圏を扱っている。
そして本書ではインド系文字を取り扱っている。
現代の言語学への不満も書かれており、言葉には言語の世界と文字の世界があるという。言語の世界と文字の世界というより音声の世界と文字の世界の方がいいような気がするが。
9ページに図式化されているが、現代の言語学を築き上げたのは主に欧米人でありラテン系文字を当たり前のものとする教養的土壌を共有している。アメリカ人がコンピュータの研究を進めていた当初からラテン文字での処理しか念頭に置いていなかった。
このように音声の方に偏っており文字もラテン文字中心で発展してきたのが現代の言語学だという。
確かにインド系文字を扱う者にとってはそう感じてもおかしくはないだろう。
本書はインド系文字の祖としてブラーフミー文字があり、それ以外の16種類の文字の字体をリスト化している。
ブラーフミー、
梵字、
デーヴァナーガリー、グルムキー、グジャラーティー、ベンガル、オリヤー、
シンハラ、チベット、
ビルマ、ラオ、タイ、クメール、
テルグ、カンナダ、マラヤーラム、タミル、
がリスト化されている。
167ページから文字豆知識つまみ食いには、リストの順にデーヴァナーガリー文字からタミル文字まであり、加えてグランタ文字、ターナ文字の解説とインターネットでインド系文字の項がある。
モルディヴのターナ文字はアジアの文字ではあるがやはり別系統として扱われている。
こういう文字の世界というのは、古代に興味のある者だったり語学マニアだったり字体・書体・フォントというものに興味があったりするところからのアクセスがあるのだろう。
著者はインド系文字だけでなく世界の文字とか古代の文字といった括りで本を出している。
ネットの発達で語学書の意味も変わっていたが手元にあると何か違うと感じさせるものだ。
⇒ 華麗なるインド系文字
あたりまえだけどなかなかできない英語発音のルール 米加英豪4ヵ国のアクセント [ホールド]
手っ取り早く各国英語の違いを知りたい人向けのCDブックだ。
または、自分の英語知識がどの国のものかチェックするのに有効だ。
色々な英語を知りたいという人なら買っても損はないだろう。
ただし、良いことなのか悪いことなのか、どれも聞き取りやすい英語だ。
英語ネイティブでも実はその国の英語に合わせようとする人はいる。デスクの後ろにある本棚に◯◯英語の本といったタイトルで入っていたのを目撃したことがある。
あぁ、マネージャーである彼も苦労してるんだな、と思ったものだ。
イギリスから外に出るとやはりそのアクセントを聞くとムッとする人が出て来る。日本人がうっかり発音すると声を上げて掛かって来る。
アジア系である日本人は特に「郷に入りては郷に従え」を意識しなければならない。
ちょっと残念なのはタイトルだ。
これだと手に取るか詳しく調べない限り、一般の英語発音トレーニング本かと思われる。
こういった少しだけマニアックなものが好きな読者や英語好きを想定した方がいいのではないか。
本書は、米国、カナダ、英国、オーストラリア英語の一般的と想定される発音の比較をメインとし、語彙の違いが解説されている。
聞き分けは難しくないだろう。
自分で発音するのが大変だ。つまり、ごちゃ混ぜにするのか、特定の発音にチューニングするのか、はたまた切り替えるのかだ。
殆どの人は特定地域の発音方式を選ぶことになり、それでも日本語の癖の香りが出るのだろう。
第5章は、音声が無い。これは細分化された英語か対象外地域の発音だからだ。
ルール93から100までは、アメリカ南部、コックニー、 アイルランド、オーストラリアのスラング、中国人の英語、シングリッシュ、フォニックス、日本人の英語が載っている。
アメリカ南部英語については、『ナマった英語のリスニング』や『アメリカ英語方言のリスニング』にも収録されている。
シンガポールの英語、シングリッシュは『シンガポールを旅する会話』がある。
友人でアイルランドに留学した人間がいるが、耳がアイルランド英語にチューニングされていた。
アイルランド英語に絞った直球勝負の丁寧な解説のある和書があったら多分買ってしまうだろう。
⇒ あたりまえだけどなかなかできない英語発音のルール
ナマった英語のリスニング 米国で収録された様々なアクセント [ホールド]
学習するという目的では買う必要はない本かと思う。
リスニング力向上+教材の真似をして上手くなるといった方式の教材ではない。
それでも買ってしまうのは趣味である。
言語学を学んでいる人はひょっとしたら得るものがあるかもしれない。
どちらかというと他人の発音の分析をするためのもので、専門分野への入り口にあるような本だ。
ジャパンタイムズの本で、類書としては特定の国に絞った「LIVE from シリーズ」がある。
アメリカ合衆国で録られたものに、『On the Streets of America アメリカ英語方言のリスニング』がある。
本書は米カリフォルニアで収録されたものだ。
収録されている英語を分類すると、米語、米語以外(イギリス英語、オーストラリア英語)、移民の英語の3種となる。本書では2部に分けられていて、英語圏のアクセントと英語圏以外のアクセントという構成になっている。全部で15のアクセントとなり、巻末に対訳が載っている。
目次
Chapter 1 英語圏のアクセント
1. ボストン・アクセント
2. ニューヨーク・アクセント(ブルックリン)
3. ニューヨーク・アクセント(バッファロー)
4. シカゴ・アクセント
5. ニューオリンズ・アクセント
6. カリフォルニア・アクセント
7. ブリテッシュ・アクセント
8. オーストラリア・アクセント
Chapter 2 英語圏以外のアクセント
9. スペイン語アクセント
10. ドイツ語アクセント
11. ロシア語アクセント
12. ブルガリア語アクセント
13. ペルシア語アクセント
14. ヒンディー語アクセント
15. 韓国語アクセント
Feature 日本語アクセント
Transcription
本書は、『On the Streets of America アメリカ英語方言のリスニング』に比べるとインパクトは少ないかもしれない。アクセントとはいっても、カリフォルニアに住んでいて角が取れてきたりしている。
『アメリカ英語方言のリスニング』には、合衆国中西部のシカゴと西部のカリフォルニアのアクセントが無いが、本書に収録されているので音声を聞くことができる。
本書の中で読み応えのあるものはアクセント解説だ。
大体はある国から来た人の発音の特徴や米国特定地域のアクセントの特徴だが、これはというものがあった。
p.30
でも不思議なことに、トムのアクセントは南部よりもむしろブルックリンのものとよく似ており、Chapter 2 に挙げた特徴のほとんどがトムの話し方にあてはまります。
これはなぜでしょうか。19世紀に東海岸に押し寄せた移民の波がニューオリンズにも及び、アイルランド・ドイツ・オランダ等からの移民が市内に労働者地域を形成したので、そこでブルックリン・アクセントに似た話し方が出来上がったのです。その地域の移民が後に郊外のジェファーソン・パリッシュに移った折り、特徴ある話し方も一緒にもって行きました。トムはそれをしっかりと受け継いでいます。米国での地域アクセントが、様々な歴史的民族的背景に影響されて細かいモザイク模様になっている、ということを如実に示すよい例です。
ここまでくると、教科書で習ったパターンがあるのか、分析を重ねた結果なのか分からない。地理的特徴という横軸に歴史的人口移動という縦軸を重ね合わせたものとなっている。
この分析が瞬時に出来ればホームズも裸足で逃げ出すだろう。
聞いて言っていることが分かるのと分析するのとは全然違うということだ。
英語の細かい部分に拘りたいという人にはちょっとした楽しみの本である。また少し分析的に音声を聞いてみたいという入門書的な本である。
⇒ ナマった英語のリスニング
喋るイタリア 気分転換に [ホールド]
語学学習も毎日根を詰めてやると疲れる。
そんなときパラパラッと読んで楽しめるものがあればと思う。
新書で各国事情を扱う本があり語学も混ざっていたりする。
本書はそのような部類に入る。
特に語学本として買う必要は無い。
であるから、入門書であると構えて読む必要も無く覚えられないとか嘆くことも無用だ。
ただ本書は雰囲気を味わう以上の気合いが入っているようだ。著者はバリバリのイタリア事情通のようでお気軽にとはいかない。ここは受け流すしか無い。
語学本コレクターの自覚は無いが、溜まって来ると色々なものがある。
手元にあるのを見ると p.35 ではこうなっていた。
クイック単語集
1-3
90
ノヴァンタ
nobanta
p.82
うちまで届けてもらえますか?
プオ・コンセニャーレ・ア・カーザ・ミア
Può consefnare a casa mia?
初版第1刷だからなのか誤植のようだ。
こういうのを稀覯本マニアは欲しがるのだろうか。
まぁこの本自体は新書なのでそんなことは無いだろうが。
著者はイタリアに関する本は何冊も書いているので少し試してみるのもいいかもしれない。
⇒ 喋るイタリア
LIVE from LONDON ナマのイギリス英語を味わう! [ホールド]
LIVE from シリーズの一冊
2000年発行の『LIVE from N.Y.』から始まったもので、3作目のものだ。
英語で2作続いているので次にオーストラリアかと思われたが、しばらく続編は無く、韓流ブームに乗ったのかソウルとなり、以降、北京・上海、オーストラリア、東京と英語以外も含めた語学本シリーズなっている。
シンガポールとかインドはまだ無しと。。。
本書はイギリス英語のロンドンで聞けるものということになっている。英国航空会社の機内からロンドン郊外のキングズ・スクールまである。
生のイギリス英語というのは間違っていないのかもしれないが、どちらかと言うと旅行会話だろう。これ聞いてみてひょっとしたら簡単なのではという印象を受けるかもしれないが、どこの国でも日常会話の方が難しい。旅行会話として聞いてみる程度が良いのかもしれない。
本書でのキングズ・スクールの話
ロンドンは安全な都市だ。只人前ではカメラを見せては行けないとか財布はポケットに入れて常にそれを意識しておけ。そんなことを言いながらロンドンは安全な都市だとまた繰り返す。
矛盾しているものを平然と同居させている。
日本語では本音と建前というのだが、真実としてはどこの国でもあるというのがよく分かる事例で、その表現方法が多少違って来るということである。日本人は云々かんぬんと自虐的になるのはまだいい方だ。そこから更に海外は素晴らしいなどという飛躍は子供の思考であることが分かる。
「スマイル」も当然真に受けては駄目だし(スマイルも色々な意味で使われるが)、「(困ったときは)いつでもどうぞ」という表現を額面通りに受け取れないのが英語の世界だ。
そういうことをさり気なく知らせているという意味で、この本の作り手のセンスの良さが窺える。
この本でイギリス英語を習えるというわけでもないが、駄目でもない。
また一冊積み上がる、と。
⇒ LIVE from LONDON ナマのイギリス英語を味わう!
シンガポールを旅する会話―写真対応 [ホールド]
今回は外国語の勉強法でなく特定言語の学習書だ。
『シンガポールを旅する会話』は三修社の「〜を旅する会話」シリーズの一冊だ。全部で22件ある。
英語に関しては、オーストラリア&ニュージーランド、イギリス、シンガポール、カナダ、アメリカの5冊だ。
英語のバリエーションを学ぶということでよくあるのは、イギリス英語の教材だ。
今回はシンガポール英語、シングリッシュだ。
教材としては他に殆どないのだろう。だから買ってしまったのか。。。
シンガポールに限らないが、国語つまり国家の共通語として外国語を使っている国がある。というよりも一体感を醸し出すと言った方がいいのかもしれないが。英語は公用語の一つでその他は、中国語、マレー語、タミル語だ。
一体感と書いたのは、コラムを読んでいて各民族グループで正月などのイベントがそれぞれあり、クリスマスは云々とあったところで気づいた。
日本だと一人が複数を掛け持ちしている感じで、クリスマスやバレンタインデーなど宗教色が殆どないイベントと化している。食品メーカーのマーケティングが成功しているとでも言ったら良いのか、いやいや実は欧米化しているとも言う人もいるかもしれないが。
シンガポールでは12月25日は祝日で24日からカウントダウンが始まると書いてあった。日本では屋外ではカウントダウンだとミュージシャンのイベントがあったりする。
言語、民族やそれに大体は附随する宗教は違うが、何か一体感の出せるものとしてクリスマスとカウントダウンが何となく使われているような気がした。共和国政府がどこまで意識しているかは知りませんが。
後は、普通の英語の本かなという感想だ。綴りはイギリス式。発音は中国系の人が吹き込みをやっている印象を受けたが。凄く特色のある英語というものでも無かった。
それで、今回は結論が最後になったが、シングリッシュをどうしても聞きたいという人は買ってもいいんじゃないかということだ。
⇒ シンガポールを旅する会話―写真対応
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