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『語学で身を立てる』 ビジネスとしての語学、一つの欧州言語としての英語 [バイ]

語学で身を立てる (集英社新書)






この本を読むと英語学習では実は学校では文法がしっかり教えられていないのではという疑念が湧き起こる。文法ばかりでは駄目だもっと会話練習を、というのは間違いということになる。会話練習以前に文法が果たして適切に教えられていたのかということだ。また、いつの間にか英語が外国語としての基本であるとの観念が植え付けられていたのに気づく。


又英語が言語の基本であるかのように振る舞うネイティブの語学講師=英語の講師に遭遇する理由も同じであろう。それは日本だけの現象ではなく世界的なもののようだ。英語はあくまでもヨーロッパの言語の一種でありその中ではどちらかといえば特殊な言語である。そういう認識が必要だ。


よって英語が言語、外国語の基本という強調された或はうっすらと植え付けられた観念からの離脱と同時に、基本に帰って昔学校で習った英文法をもう一度見直しましょうということの危険性も分かる。英語は外国語の基本、学校で習った英文法は英語やその他の外国語を習う際の文法の基本という偏見をそぎ落とす。米国の変調がありながらも英語の使用は増加しているという時期にもう一度見直すには良い本だ。



この『語学で身を立てる』の著者は、一見個性が強いようで実際のところ言語の研究に関しては時流に流されない論を展開している。一方、ビジネスとしての語学はこれとは反対である。というのも著者自身が経営者であるので説得力もある。それも一般対象ではなく専門家育成のためのコンテンツがある機関といった趣である。本書は2003年出版ということで時流といった部分に多少の変化はあるかもしれない。ただし長期的なスパンでのカテゴリ分けになっているため今現在流行っている言語について書かれた雑誌系とは趣を異にする。



語学の専門家としてであって、自分の仕事でのスキルに加えて語学というようなものではない。ただし語学講師がおススメする勉強法といったものではなくビジネスの観点からそして英語中心でないところから書かれているので役に立つ部分はある。



ということで、この本はおススメです。

語学で身を立てる



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